変動金利と固定金利、どっちがお得?
住宅ローンを組むときのポイントとして、変動金利にするか固定金利にするかということで悩まれる方も多いと思います。
現役の銀行員で、FP1級を取得していますので、
あくまで個人的な見解となりますが、「自分だったらこっちを選ぶ」という観点で選ぶポイントをご紹介します。
変動金利と固定金利
住宅ローンには、大きく3つの金利の型があります。
では、どれが一番お得なんですか?
と、お客さまからよくご相談を受けます。
結論から申し上げると、”世の中の金利がこれからどうなるか次第”です。
もし、これから金利が上がらないのであれば、金利が低い変動金利や○年間固定金利がお得です。
10年後や20年後に金利が上がるのであれば、全期間固定金利の方が低金利で返済し続けることができるので、他の金利型よりもお得になります。
とはいえ、お客さまに金利がどうなるか分からないので、何とも言えません!という訳にはいかないので、
お客さまに説明している内容をまとめていきます。
自分が住宅ローンを組むなら変動金利
仮に自分が住宅ローンを組むとしたら、変動金利を選びます。
理由は、一番金利が低く利息負担が少ないためです。
参考に、楽天銀行の住宅ローンのページを見てみました。
変動金利が年0.537%~年1.187%に対して、
5年固定金利が年0.752%~年1.402%となっています。
住宅ローンは借りる金額が大きいので、金利が返済額に与える影響も大きくなります。
つまり、金利が低い方が元本の減りが早くなる、ということです。
元本が少なくなれば、金利の影響も少なくなりますよね?
上記の条件で返済を続け、仮に15年後に金利が1.5%になったとしても、返済額は8.6万円程度に留まります。
上の図を見ていただいたら分かるように、
住宅ローンは毎月一定金額の返済を行いますが、始めの頃は返済額のほとんどが利息です。
金利が高ければ高いほど、利息の部分が大きくなる仕組みになっています。
せっかく毎月支払いをするのであれば、支払う利息は少なくしたいですよね。
金利の推移を見てみると、1995年から2%台に金利が下がっています。
固定金利と変動金利には差があるものの、変動金利はほとんど動きがなく、ここ約10年間の変動金利は2.475%のまま横ばい状態で、現在も最低水準を保ったまま推移し続けています。
バブル時代のような好景気になれば、経済引き締めのために金利を引き上げることがあるかもしれませんが、
これからそんな好景気がくることは現実的でないように思います。
金利を上げると、
住宅ローンが組めない⇒家が売れない⇒工務店・デベロッパーが不調⇒資材が不調
と、悪循環が生まれるので、余程好景気で金利が高くてもドンドンお金を借りて投資していくようなマインドにならないと、金利は上げられないのではないかな、と考えています。
変動金利のデメリット
デメリットは、金利上昇リスクがあることです。
(先ほどと矛盾してしまうようですが、、、)
これまで、低水準で推移してきている住宅ローン金利ですが、
10年後や20年後はどうなるか、誰にも分かりません。
先ほどシミュレーションしたような、1.5%程度への金利上昇であれば影響は小さいですが、
3%や5%に金利が上がってしまうと返済金額はかなり大きくなってしまい、返済が不可能となってしまう可能性があります。
こういった金利上昇リスクに備えて、ゆとりのある返済計画を立てておくことが重要です。
将来どうなるか分からないからこそ、不測の事態に耐えられるようにしておかないといけないですね。
まとめ
- 金利が低いと元本の減りが早い
- 大きな金利上昇は考えにくい
- 金利上昇を考えた返済計画が重要