地銀再編はするべきなのか

地銀の数は多すぎる!

菅首相はこう言っていますが、
実際のところどうなのか。

個人的な意見も踏まえてご紹介したいと思います。

なぜ地銀再編をするのか

地銀に対する逆風が強く、収益性が悪化しているためです。

銀行経営悪化の主要な要因は、貸出金利の低下です。

銀行は預けてもらっているお金を、会社へ貸すことで儲かっていますが、
金利の低下で利幅がかなり小さくなっています。

例えば、100万円を預金してもらって、会社に貸し出すとします。

金利が高いときには、
100万円の預金利息が1%で、貸出利息が5%だとすると、
5%-1%=4%で、4万円も儲かりますが、

現在のような低金利だと、
金利息が0.01%で、貸出利息は1%であれば、
1%-0.01%=0.99%で、9900円しか儲かりません。


預金金利がかなり低くなっていて、預金者としては面白くないですが、
銀行側も利幅が小さくなっていて経営が厳しくなっています。

更に、人口減少により経済規模の縮小が考えられますし、
フィンテック等により他業種からの参入等、市場の競争が激しくなることが予想されます。

今のうちに、銀行同士が合併しておくことが、自身の経営を守ることにつながるということですね。

地銀同士が合併するメリットとしては、
・競争の緩和
・経営の効率化
・資本構造の改善
などでしょうか。


最近再編した地方銀行の一覧

2016年 コンコルディアFG<横浜銀行東日本銀行
    めぶきFG<常陽銀行・足利HD>
    西日本フィナンシャルHD<西日本シティ銀行・長崎銀行

2020年 十八親和銀行十八銀行親和銀行
    徳島大正銀行徳島銀行大正銀行

2021年 第四北越銀行第四銀行北越銀行



銀行株は割安?

PBR(株価純資産倍率)は0.1〜0.4倍の地銀がほとんどです。
また、上場する78行・グループの6割の最終損益が赤字となっており、銀行のビジネスモデルの変革が急務となっています。

他社比較<1月12日時点>
ソフトバンク 2.29倍
トヨタ自動車 1.20倍
メガバンク 0.40倍程度


PBRが1倍以下であれば、会社が保有する純資産の額より株式時価総額のほうが安い。
つまり、会社が解散した時に株主に帰ってくる金額が株価よりも多いということになります。

0.1倍~0.4倍ということは、かなり割安な株価ということになりますが、
それでも株が買われないという。

銀行株は市場から期待されていないことが表れていますね。


銀行に勤める身としては、なんだかなあ。という思いですが。。。

結論

個人的には地方銀行には一定の統廃合、
あるいは、ビジネスモデルの変革が必要だと考えています。

地方銀行メガバンクと異なり、海外に進出せず、
地域に根差した営業を行います。

地方の人口が減少し、経済規模が縮小するのは分かりきっていますし、
高度成長期が今後もう無いと仮定するのであれば、
こんなに銀行はいりません。

企業数や人口が多い地域の地銀であればいいですが、
過疎化の進む地域では、10年後20年後にも同じビジネスモデルでの経営は難しいと思います。


あくまで、個人的な考えなので、ご留意ください...。


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syu-tarou.hateblo.jp
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